夏の庭をふわりと彩る、ラベンダーとロシアンセージ🌿
どちらも紫色で風にそよぐ姿がよく似ていて、見かけるたびに涼しげな景色をつくってくれる花ですよね。
この2つ、見た目は似ていますが、香りの性質や背景、咲き方のリズムが異なる植物です。
今回は、見分けるコツと、知ると散歩がもっと楽しくなるストーリーをご紹介します。
お散歩の途中で見比べて楽しむためのポイントとしてまとめました。
ラベンダーとロシアンセージを見分けるポイント
ラベンダーもロシアンセージも、どちらも“シソ科”の植物です。
ただし、属が異なり、花のつき方にもはっきりした違いがあります。
ラベンダー(Lavender)
分類 シソ科・ラベンダー属
花の特徴 淡い紫~濃い紫、青紫~赤紫など、種類や品種によって色に幅があります。 花は茎の先端付近にまとまってつき、穂のような形に見えるものが多くあります。
葉の特徴 緑色から灰緑色、銀灰色まで幅があり、細かな毛に覆われた葉を持つ種類もあります。
香りの特徴 甘さや草のような香りなど、種類によって香りの印象が異なります。 葉や花に触れたときに香りが立つのも、ラベンダーの楽しみのひとつです。
開花時期 種類や品種によって異なります。 初夏に咲くものが多い一方、フレンチ・ラベンダーなどでは開花時期が異なることがあります。
ロシアンセージ(Russian Sage)
分類 シソ科・サルビア属 かつてはペロフスキア属に分類されていましたが、現在はサルビア属に分類されています。
花の特徴 ふわっと煙のように広がる細かな紫の花。 細い茎に沿って小さな花のまとまりが連なり、全体が霞のように見えます。
葉の特徴 灰緑色~銀灰色で、細かい切れ込みのある葉をつけます。
香りの特徴 葉に触れると、セージを思わせる香りを感じることがあります。
ラベンダーとは香りの印象が異なります。開花時期
夏から秋にかけて咲くものが多く、長く花を楽しめます。
暮らしの知恵とガーデニングでの役割
ラベンダーの葉に香りのもとが隠れている
ラベンダーの葉や花などには、精油に関わる腺毛(腺状毛)が見られます。
そのため、葉に指先で触れたり軽く揉んだりすると、香りを感じやすくなります。【ポプリやドライフラワー】
ラベンダーは香りを生かしたポプリやドライフラワーにも利用され、乾燥させた花や茎をインテリアとして飾って楽しむこともできます。
ロシアンセージは「庭の名脇役」
ロシアンセージは観賞用として親しまれている植物で、銀灰色の葉と細い花茎、淡い紫色の小さな花がつく軽やかな姿が特徴です。
暑さや乾燥に比較的適応し、夏から秋にかけて花を楽しめることから、宿根草の花壇やボーダーでも利用されています。
1995年には「多年草オブ・ザ・イヤー」に選ばれたほどです。
【庭で楽しむハーブの香り】
葉っぱにミントのような爽やかな香りがあり、庭で香りを楽しめる植物のひとつです。
コンパニオンプランツ(虫よけ目的)として紹介されているのを見て、我が家でも野菜やほかの花のそばに植えていました。
実際にどのくらい役立っていたのかは分かりませんが、庭のガードマンのような存在でした。
名前に隠された歴史ロマンとストーリー
ラベンダー:「洗う」と結びつけられてきた名前
ラベンダーの名前は、ラテン語のlavare(洗う)に由来するとされています。
古くから地中海地域を中心に、香りのある植物として人々の暮らしと関わってきました。
その後も、香料やポプリ、石けん、ドライフラワーなど、香りを生かしたさまざまな用途で親しまれてきました。
ロシアンセージ:ロシア産ではないのに、なぜ「ロシアン」?
「ロシアンセージ」という名前を聞くと、「ロシア原産のセージ」と思いがちですよね。
ところが、ロシアを原産とする植物ではなく、中央アジアから中国西部などに分布する植物です。
以前は「ペロフスキア」という属名で呼ばれていました。
この「ペロフスキア(Perovskia)」という名前は、ロシア帝国の軍人・政治家だったワシリー・ペロフスキーにちなんで付けられたものです。
つまり「ロシアン」という名前は、原産地ではなく、植物の名前にロシアの人物とのつながりが残っていることから生まれたものなんですね。
現在の学名は Salvia yangii とされ、以前の Perovskia 属からサルビア属に分類されています。
名前の由来を知ってから見ると、いつもの紫色の花も少し違って見えてきますね。
おわりに
ラベンダーとロシアンセージは、淡い紫の色合いがそっくりなので、遠目には見分けがつかないこともあります。
両方とも葉っぱや茎が白く曇って見えるため、遠くから見たときの優しい雰囲気がとてもよく似ているんですよね。
でも、近づいて花のつき方を見ると、その違いがだんだん分かってきます。ラベンダー=初夏に咲くという一般的なイメージがありますよね。
けれど植物は、ときどき私の予想を軽く超えてくるものです。
我が家のラベンダーは一般的な性質とは裏腹に、季節を問わず一年中咲き続けてくれました。
冬でも元気に花をつける姿を見て「植物にも個性があるんだな」と感心したのを覚えています。
のちに知ったのですが、ラベンダーは
- イングリッシュ系
- フレンチ系・ストエカス系
などの系統によって性質が異なるそうです。
ちなみに、我が家で育てていたのはフレンチ系のラベンダーでした。
長い年月をともに過ごし、最後は静かに役目を終えていきました。思い出すと愛おしさがこみ上げてきます。
次に庭や公園で紫の穂を見かけたら、ぜひ香りを確かめてみてくださいね。
葉や花に触れてみると、それぞれの植物の香りの違いを感じられるかもしれません。



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